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本記事の内容
- 【1ステップ】契約する運送業者の選定
- 【2ステップ】配送車両の準備と登録
- 【3ステップ】税務署への重要な2つの届出
- 開業失敗する人、2つの特徴
本記事の信頼性
この記事を書いている僕は軽貨物歴8年です。21歳のときに始めて、今では独立し、月1,000万以上を売上げるようになり法人化しました。
今回は、「経験者が語る、軽貨物ドライバーの失敗しない始め方、重要な3つのステップ」について検証していきます。
この記事は、「軽貨物の仕事に興味があるけど、失敗しない始め方を知りたい」という人のお役に立てるための記事です。
記事の後半では、とても重要な税務署での届出方法を解説しつつ、開業を失敗する人の2つの特徴についても、経験を元に分かりやすく簡単に解説していきます。
目次
そもそも軽貨物ドライバーとは?
まず最初に、【軽貨物ドライバー】とは何かをご説明します。
事前に概念を知ることで、イメージしていたものと現実の乖離を小さくし失敗する可能性を低くできるでしょう。
簡単に説明すると、「登録・許可された軽貨物自動車を用いて運送業を行う事業者」のことを指します。
つまり、国から認められた軽車両を使用して荷物を運べば「軽貨物ドライバー」ということですね。
そして今現在、軽貨物ドライバーで働いている方の多くは個人事業主(フリーランス)として活躍しています。したがって、個人事業主になることが大前提で考えて頂く方がわかりやすいかもしれません。
個人事業主とは、法人設立せず、個人で事業を営んでいる人のことです。
開始するにあたって法人と個人の違いは、
- 法人は設立費用が数十万かかるが、個人は「開業届」の届出のみ
- 廃業時、法人は事業清算に時間がかかるが、個人は「廃業届」の届出のみ
上記のように個人事業主は、金銭的にも垣根が低く、始めるのがとても簡単です。しかし、容易であるがために気軽にやって失敗する人もたくさんいらっしゃいます。
軽貨物ドライバーとして失敗しないために、事業主としての心構えをしっかりもち、確かな知識をもって安心安全の事業を運営していきましょう。
【1ステップ】契約する運送業者の選定
最初に、「【1ステップ】契約する運送業者の選定」をご紹介します。
どんな会社あって、どんな便種を取り扱っているのかをリサーチすることで、自分が働き方がみえてくるでしょう。
それでは、運送業者を選定するうえで、重要な事項を詳しく解説していきます。
取り扱う便種によって働き方が変わる
運送業者はさまざまな便種を取扱い、その便種に合った働き方をしています。
そのため、自分自身が「何を目標」に「何を」配送して売り上げを建てていきたいかを選定するための情報収集が重要になってきます。
たとえば、「弊社は市役所など公的な機関に対して必要部品を集荷・配送する会社です」というような会社では、
公的機関なので単価もそこそこで、コースも安定しているが、競合も多いので期間限定の場合が多い。簡潔にすると、短期的に稼げるが長期的には不安要素が多い。
この場合、メリットが自分にハマれば当然いいですが、デメリットをリカバリーできる便種がない場合、契約期間を終えた時点で放出される可能性が高いです。
上記では、長期的に週5稼働7時間労働で25万くらい稼げる軽貨物ドライバーをやりたい人にとっては、条件にハマりませんよね。
つまり、「短期・長期・稼げる稼げない・安定 etc...」など、自分のやりたい便種や配送スタイルを明確にすることによって、その後の仕事満足度も変わってくるので、事前準備として各会社の知識は最低限つけておくことをおススメします。
しかし、会社サイドは「良い事」を前面に出すことのほうが多いので、所属後に「騙された」「想像と違った」と後悔にならないよう注意です。
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次は、優良な運送業者の特徴についてみていきましょう。
優良な運送業者の特徴
数ある運送業者の中には、良い事ばかりを前面にだし、悪質な手口で契約を結ぶ悪質な業者がいます。
そんな中、優良に運営してる軽貨物の業者もいますので、その特徴を3つご紹介します。
優良な軽貨物の会社、3つの特徴
・すぐに契約せず、自分が決断するまで待ってくれる
・単価やロイヤリティーなど、明確に明示してくれる
・デメリットを正直に教えてくれる
優良な運送業者は、面接時すぐに契約をしようとはしてきません。
その理由は、運送業者と個人事業主の関係は雇用でなく「外注委託契約」となります。契約の場合、お互いの条件が合って初めて契約成立となるので、「両者条件を出し合って合意するまで時間を設けることも必要」であるからです。
例えば、突然営業に来たセールスマンに「この商品は素晴らしいんです!今契約してください!」と言われて「はい、契約します!」なんて人いませんよね?一度考えてからどうするかを考えると思います。
また、優良な運送業者は、配送単価や毎月かかるコストやロイヤリティーなど金銭的な部分の説明や運送業者自身のデメリットも丁寧に教えてくれます。
こうなるだろう、という仮定の話ではなく単価×配送本数で月いくら、どのぐらいのコストがかかってどこにロイヤリティーがかかるか、そしてその会社にはどんなデメリットがあると理解できていれば、実際働いて手元に残る金額の目安になったり、デメリットを考慮して将来を想像できるようになります。
つまり結論として、「外注委託契約」というものを真面目に考え、デメリットも正直に説明してくれる業者こそ「優良な運送業者」といえるでしょう。
しかし、中には見た目だけは優良な運送業者を装っているところもありますのでご注意ください。
是非、優良な運送業者と契約し、不安のない軽貨物ドライバーライフを目指しましょう。
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【2ステップ】配送車両の準備と登録
次に「【2ステップ】配送車両の準備と登録」をご紹介します。
前提として、車の形状は軽自動車に限定されます。軽貨物運送事業は、「軽自動車を使用して運送事業を行う」ということなので一般車両や大型車の場合は登録できません。
それを踏まえ、車両を用意する際の注意点と登録方法を解説していきます。
車両を用意する際の注意点
車両を用意する際の注意点が2つあります。
注意点
①:新車の購入を避け、お手頃な中古車を探す
②:アフターサービスが豊富な車屋を探す
①:新車の購入を避け、お手頃な中古車を探す
新車を購入してしまった場合、もし仕事が想像と違ったり合わなかった時の離脱が難しくなります。
低コストで初めて、先の展望がみえるようであれば新車の検討もいいかもしれません。
②:アフターサービスが豊富な車屋を探す
理由は、もし車の調子が悪い時や車が止まってしまった時など、迅速に対応してくれるからです。
筆者が現場でよく見た光景が、
配送中に車が止まってしまった。JAFが車で待機しなければならないうえ、その後の配送ができない。最悪なことに、修理が終わって車が戻ってくるまで仕事ができない。
つまり、もし車が壊れた時の迅速な対応ができない場合、余分なお金がかかるのに仕事ができないので収入もない。という状況になってしまいます。
急なトラブルで仕事が止まらないよう、事前に環境を構築しておくと仕事を続けていきやすいかもしれませんね。
配送に使用する備品の準備
次に、配送業務を行っていくうえで必要な備品のご紹介します。
以下が、筆者が短距離・長距離関わらず軽貨物の配送を行っていたころに重宝していた4つのアイテムです。
あると便利、4つのアイテム
カーナビは空いた時間でテレビを見たい方や長距離運転をする人に向いています。GoogleNaviは手回しがいいので、近距離個人宛荷物の配送に相性◎ 有料でも品質を求めるならゼンリン地図から提供されている「GODOOR」がおススメです。
②:伝票ボックス
荷物の運送には必ず伝票を使用します。そしてその伝票は提出する形になるので、配送中に車内での保管が必要になります。その際に、風で飛んだり紛失しないよう専用のボックスがあるととても便利でした。なにより、車内も乱雑にならずスッキリします。
③:コインケース
コインケースは、宅配や緊急集荷など現金を取り扱うタイミングで使用します。その際にポーチの中に整理していない小銭を入れておくと、走ってチャラチャラうるさいしお客様の前でチマチマ数えなければなりません。コインケースに入れておくと小銭の内容量も把握できて、音も出ないし、お金のやり取りがスマートになります。
④:LEDライト
配達先によっては玄関先や会社周りが暗い時があります。そして、暗い場所で転んで、骨折や打撲になる方が多いです。そんな時LEDライトがあると足元が照らせて危険を回避できます。非常用ライトとしても使えるので、常備しておくと便利です。
上記はあくまで筆者が常に用意していたものです。それ以外にもクリップやガムテープなど便種によって常備するものは変わります。
面接を通して、やりたい便種や配送スタイルが固まったら対応する備品の準備を始めるといいでしょう。
管轄の陸運局で手続きをしよう
配送車両の準備と備品の準備ができたら、続いて配送車両を管轄の陸運局で登録しましょう。
陸運局で登録することによって、準備した配送車両が「一般軽車両」から「軽貨物配送車両」へと変更されます。
この手続きしないことには軽貨物の事業を行うことは一切できないのでお気を付けください。
届け出のやり方はとても簡単、詳しく解説していきます。
陸運局での届出方法
①:準備している車両の車検証、自身の住民票と印鑑を準備
②:管轄の陸運局を調べ、準備したものをもって直接行く
③:係員の指示に沿って書類を記入
以上3点で簡単に終わります。(所要時間10分程)
届出が終わったら陸運局より「新規事業届の控え」と「連絡票」を貰えます。控えは廃業する際や増車(車両台数を増やすとき)に必要なので無くさないよう保管をお願いします。
「連絡票」は、準備している車屋に提出すれば車検と同時に黒ナンバーへと変更可能です。事前に車屋へ趣旨を説明したうえで提出するとスムーズになります。
*車屋にてナンバー同時変更に対応してもらえない場合は、車両が出来上がった後に自身で管轄の「軽自動車検査協会」に行き、ナンバーの変更を行う必要があります。その際は、車検証・住民票・印鑑・車両ナンバーを外して持参し、係員の指示に従って手続きを行いましょう。(所要時間20分程)
手続きは両方合わせても30分ほどで終わります。しかしここで注意してほしいのが、上記作業の代行サービスを利用することです。
時間に余裕がない方であれば利用価値はありますが、自分で行えば3千円ほどで行えることを、1~2万円ほどの金額で代行しているので、初期費用をなるべく下げたい人にとっては痛手であり無駄なお金になってしまいます。是非ご自身で手続きすることをおススメします。
【3ステップ】税務署への重要な2つの届出
次に、「【3ステップ】税務署への重要な2つの届出」をご紹介します。
正社員で働いている時代は、会社側が税務手続きをしてくれていましたが、個人事業主になった場合は自身にて手続きしなければなりません。
難しく聞こえますが、とても簡単なので気負いせずやってみてください。
それでは、個人事業主として事業を運営するうえで税務署への重要な必要手続きを解説します。
税務署への重要な必要手続きを2つ
①:開業届の提出
②:消費税課税事業者選択届出書の提出
①:開業届の提出
まず初めに、税務署にて「開業届」の提出をしましょう。
「開業届」は正直、出しても出さなくても個人事業主を始めることはできます。しかし出さなかった時のデメリットとして「青色申告控除」を受けられません。
青色申告控除を簡単に説明すると、
青色申告とは、確定申告の種類の1つで、所得税を正しく納税するために行う申告納税制度のことです。青色申告の他に「白色申告」があります。白色申告は簡易であるが節税メリットがないのに対し、青色申告は白色と手間があまり変わらず節税メリットがあります。そのメリットの一つが青色申告控除であり、年間の所得から最大65万円の控除が受けられます。
簡潔に言えば、開業届を提出するだけで「65万円は所得として扱いませんよ」というお得な控除が受けられるのです。
簡単な例として、年間600万売上で事業経費200万とした場合、「600万-200万=400万」に税率がかかりますが、青色申告控除があれば「600万-200万-65万=335万円」に税率がかかり支払う税金が安くなるということです。
無駄に税金を支払いたい!という人がいれば話は別ですが、節税という言葉がある通り、みんな支払う税金は減らしたいものですよね。
上手に税金の制度を利用し、お得にお金を稼ぐためにも、是非管轄の税務署にて手続きしましょう。
②:消費税課税事業者選択届出書の提出
続いては、消費税課税事業者選択届出書の提出です。
消費税課税事業者選択届出書の提出を行うことによって、適格請求書の発行ができるようになります。
なぜこの届出が必要なのか?
これについては、令和5年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されることが関係しています。
インボイス制度を簡潔に説明すると、
「今まで年間所得が基準以下の免税事業者は預かり消費税を全部利益にできましたが、制度開始後は消費税自体をお渡しできませんよ!もし、消費税を受け取りたいのであれば課税事業者になってくださいね」ということです。
*インボイス制度の詳しい説明については国税庁HPにて詳しく説明されているのでご覧ください。
つまり、課税事業者を選択しない限り免税事業者にとって大事な収入源の消費税をお渡しできませんよ、ということです。
しかしこれは、仕事を委託する運送業者にとってもデメリットがあります。それは、
委託先の個人事業主が免税事業者であった場合、個人事業主に対し消費税を転嫁できないので運送業者自体の支払う消費税額も増えてしまうのです。結果、運送業者は免税事業者との取引を取りやめ、適格請求書を発行できる課税事業者と取引をする形になる可能性がある。
インボイス制度が実施されるときに消費税課税事業者選択届出書の提出がなかった場合、
結論として、「消費税が貰えなくて損するし、そもそも契約や取引をしてくれない可能性が高い」と言えます。
令和5年10月1日からは個人事業主として必須級の届出となりますので、忘れずに届出をしましょう。
開業失敗する人、2つの特徴
最後に、個人事業主を始めるにあたって「開業失敗する人、2つの特徴」をご紹介します。
開業はとても簡単で、誰でも社長になれるという魅力はありますが、その反面失敗する人もたくさんいらっしゃいます。
成功と失敗、その二つにはどんな違いがあるのでしょうか?
経験を踏まえて開業失敗する人、2つの特徴を掘り下げて解説していきます。
開業失敗する人、2つの特徴
①:事業主としての意識が低い
②:税金に対する知識が浅い
①:事業主としての意識が低い
初めに、開業をして失敗する人は事業主(社長)としての意識が低いことが多いと言えます。
雇用された正社員であった場合、作業指示を上司や周りの人が指示してくれますが、個人事業主は自分で作業を見つけ方針を立てていかなければなりません。
筆者も8年間事業をしてきたうえで、たくさんの失敗する人を見てきました。
「言われたことしかやれない」「+αの仕事を考えない」「できないことはやらない」といった最初から自分の仕事の枠を決めつけている傾向がある人が多かった印象です。
結論、自分で仕事を見つけたり方針を立てていけない人、もしくは精神面での準備ができていない人は開業するのは、まだ早い可能性があります。
しかし、雇用ではないので、時間の制約もなく自分のスタイルでお金を稼ぐことができるのは、個人事業主の唯一の特権でもあります。なんといっても固定給ではないので、自分の仕事力次第で売上は青天井です。
無理に今すぐ開業するのではなく開業するメリット・デメリットをしっかり理解し準備したうえ、開業する精神面での準備があれば失敗する確率は格段に低くなるでしょう。
もし仮に、「自分にはやっぱり無理かも」と思ったら、開業にこだわらず、雇用をしてくれる企業を探すのもいいかもしれません。
②:税金に対する知識が浅い
最後に、税金に対する知識についてです。
ご存じの通り、所得を得れば日本全国民平等に税金を支払わなければなりません。それは、国民の義務であり、社会を維持する国の財源です。
しかし、
税金に対する知識が浅いあまりに、その必要性を知らず確定申告をしない人がたくさんいらっしゃいました。強制徴収といって、銀行から直接滞納額をとられてしまうという事案も実際に起きています。それが理由で廃業する方もいました。
例えば、「お金も溜まったし安定してきたから結婚しよう」と思った矢先、その資金が口座からなくなっていたら落胆しますよね?
つまり、税金を支払う事は大事だということ、そして公的機関の強制力は想像以上に強力ということをおぼえておきましょう。
そこでおススメなのが、「青色申告会」への入会です。
青色申告会とは?
青色申告会とは、個人事業主を中心とした納税者団体で全国各地の税務署ごとに組織されています。業種ごとの特徴を踏まえ、日々の帳簿の付け方や、確定申告に係る相談を丁寧に対応してくれます。地域によっては確定申告時期より少し前に、確定申告を忘れないよう連絡してくれるところもあります。
税金の知識だけでなく、確定申告の方法など、はたまた資金融資の相談などまで幅広く対応してくれるので、個人事業主になる際は是非入会してみることをおススメします。
しかし、「入会」というだけあって年会費(月会費)など費用が必要です。各地域ごとに提供するサービスや金額なども微妙に異なるので、一般社団法人 全国青色申告会総連合が提供する「相談窓口」から検索してみてください。
開業前に税金の知識をしっかり覚え、的確な金額を納税することによって不意な税金トラブルも避けられるので、開業を失敗しないためにも青色申告会を一度検討してみてください。
まとめ:失敗しないためには申請類を忘れず、用意周到に
今回は、「経験者が語る、軽貨物ドライバーの失敗しない始め方、重要な3つのステップ」についてお話ししました。
結論、申請類を忘れずに行い、用意周到に準備すれば、ほぼ失敗しないです。
本記事でご紹介した、重要な申請類の準備と車両の選び方は低リスクな方法をご紹介してるので、失敗したときのリスクも格段に低いです。
用意周到に準備して、稼げる軽貨物ドライバーとして成功しましょう。
最後に、同じように個人事業主をやってきたものとして、これから開業する方々の成功を祈っております。
今回は以上です。